ステレオカメラを楽しもう

 ステレオ写真をつくる

〜 リアリスト判のマウントを自作する 〜

L判プリントは鑑賞しやすいが,
ポジフィルムをルーペで鑑賞するときの
圧倒的な質感と鮮明な発色
その魅力は捨てがたい。

ポジフィルムの魅力

 フィルムや印画紙のごく基本的なしくみは,光があたったところが反応して黒くなり,現像処理でそれを固定するということができる。そのため,撮影したフィルムには,明るいところが黒く,暗いところが白い,明るさや色が反転した像ができている(陰画,ネガ)。このフィルムを通った光を印画紙にあてれば,印画紙でも明るさや色が反転して,本来の像(陽画,ポジ)ができる。
 一般的なフィルムは,撮影後に現像処理をして明るさや色が反転した像が得られるネガフィルムであるが,現像処理の過程で反転させることで陽画を得ることができるポジフィルムというものもある。カラーポジフィルムで得られる画像は,とてもリアルに感じられる。これを透過光で鑑賞するときの美しさは,大きな魅力である。

 リアリスト判のステレオカメラでも,カラーポジフィルムを使うことができる。
 ふつうに撮影して,ふつうに現像処理を依頼すればよい。このとき,「リアリスト判」であることを伝え,不用意なところでカットされることがないように,「長巻仕上げ」として依頼する。
 かつては,専用のビューワーで立体視しやすいように2コマ1組でマウントするサービスもおこなわれていたが,2000年にはすべて終了しており,そのようなサービスを提供する現像所はない。そもそも,リアリスト判用のマウントが製造されていない。

リアリスト判のマウントをつくろう

 そこで,かつて提供されていたものとサイズ等が異なるものの,入手しやすい材料でリアリスト判のマウントをつくることにした。
 ほどほどの厚さの紙で,少しでも楽につくるために,フィルムの窓を開ける以外は,工作をできるだけしないようにしたい。このような目的にちょうどよい大きさ厚さの紙として,100円ショップで見つけた「私製はがき用紙」を使うことにした。

▲100円ショップで見つけた「私製はがき用紙」は厚さが手ごろで扱いやすい
また,はがきサイズという規格品なので,同様のものを入手して再現しやすい。

 次のような位置に窓を開けて2つ折りにすれば,リアリスト判のマウントとして利用できる。

▲クリックすると,プリンタでの出力に利用できるPDFファイルが開く。

ステレオ撮影したポジフィルムの鑑賞

 リアリスト判で撮影したポジフィルムは,1コマずつカットし,作成したマウントにはさみこむ。

▲フィルムをはさんだら,マウントの紙を糊で貼りあわせる。

 本来はこのマウントを専用のビューアーにセットして鑑賞するのだが,ここでは2個のルーペを使う。

▲10倍程度のルーペを2つ用意し,コマの上に置くだけである。

 ライトボックスの上でこのルーペを覗けば,ビューワーを利用するときと同じように簡単に立体視ができる。

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